75歳の彼氏の話。
わたしには75歳の彼氏がいる。
彼氏というとじゃあ付き合ってるのかと野暮なことを言う人がいるが、ここでいう彼氏というのはそういうもんではない。
心が通い合ってるのである。
突っ込みどころ満載ではあると思うが、
人それぞれその定義があるのだと思って聞き流して欲しい。
彼氏の話は毎回面白い。
彼は染色の道を歩み、今いわゆる職人というものをやっている。
京都の工房で幼い時に見た「虹」からインスピレーションを受けて、色をふんだんに使ったオリジナルのスカーフやショールを作ってるのである。
彼の色へのこだわりや、学びはすごい。
色にはそれぞれ波動がある。
自分の見ている世界はその波動によって彩られているのだと知る。
色を辞書で引くと、英語でいう「colour」に対する意味合いの他に、日本語では恋・欲望のような意味合いもでてくる。
色は見る場所、見る人、見る明るさによって様々に変化する。
恋を色とする日本人の感覚に日本人の感受性の高さを改めて感じた。
また、彼はいろんな事を教えてくれる。
芸術を極めるのがアーティスト
商品を極めるのがアルチザンだと。
それが芸術家と職人の違いである。
職人がつくるものは売れなければ意味がない。
そこに買い手の思いや、心理を考え究極の芸術品に近しい商品をつくるのが職人である。
その職人がいうには、人生には壁が必ず訪れるという。そりゃよく聞く話だと思うが、
彼曰く、水泳のターンと一緒で、
壁がなければ人はターンをしてそこから伸びていくことはできないのだと。
だから壁は必要であり、うまくターンができなかったとしてもその事を楽しむことが大切だという。
人生は一度きりしかない。
人間の寿命は決められていない。
たかだか10代、20代だとしてもコロッと明日死ぬかもしれないのだ。
であるならば、今という一瞬一瞬をありのままに受け止め、楽しむべきだと、前立腺癌ステージ4から立ち上がった彼はいうのである。
なんとも面白い爺さんだ笑
時間泥棒に時間を盗まれている場合ではない。
今を精一杯、楽しまなくちゃ!!!!
明日のことはわからない、
わからないことを悩み、苦しむぐらいなら、
今を楽しみ大好きな人の愛情をたくさん感じながら幸せだと笑ってれば、自ずとすてきな未来がやってくるのではないだろうか。
今日の出会いと気づきに感謝して寝たいと思う。
私の周りは愛で溢れている。